2019年08月16日
私を自分史事業へ突き動かした本【後編】
Vol.5
自分史をつくることで、自分の生きた証(あかし)を残す
マイ ストーリーを次世代につなげる
Annalouge(アナログ)のライター 大谷(おおや)敦子です
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
突然の余命宣告を受けたら、あなたならどうしますか?
・「死生観」を学ぶために高野山大学大学院に入学する
・自分の葬儀の打ち合わせをする
・葬儀代をパートナーの口座に振り込んでおく
・永眠する場所を決めておく
仕事と闘病を続けながら、これらのことをやり遂げた人がいます。
2012年10月2日、肺カルチノイドでこの世を去った流通ジャーナリスト 金子哲雄さんです。
享年41
賢い選択、賢い消費をすることが、人生を豊かにする
金子さん流通ジャーナリストとして、何度も口にしてきた言葉。
自分の最期、葬儀=人生の幕引きを情報として発信していきたいという気持ちがありました。
若くして妻を残してこの世を去ることを受け入れ、
自分の葬儀と葬儀後のプロデュースにとりかかります。
ご縁あって、生前のうちに「慈雲院殿應救哲心居士」
という立派な戒名を頂戴します。
院殿というのは、存命中に相当なことをしないといただけないものだと知り、
金子さんは、戒名に値するのに十分ではないのではと考えます。
あとで聞いたところによると、
金子さんのやってきたことが、社会の多くの人々の生活を大切にしようとした仕事だから、
立派な名前を生前授戒してくださったのだという。
妻を路頭に迷わせないようにするのが、
自分が死ぬ前の第一のことと考えていたけれども、
それだけでは不十分なのではと考えた金子さん。
自分が生きてきた意味について問いかけ、
地域社会のため、
公共のため、
そのために何が残せるのか。
一時的に危篤に近い状態に陥りながらも回復し、
寿命を延ばすことになったのかもしれない出来事は、
これまでお世話になった方へのお礼とお詫び伝えたい
と本の執筆にとりかかったからです。
本という目標ができたことで、張りが戻り、執筆することが日課になりました。
その本のなかに、在宅終末医療を選択し、経験したからこそ知りえた
地域医療にかかわるドクターの現状、
(医療費が支払えない患者さんが増えていて、
ドクターの持ち出しも少なくないという現実)
闘病と仕事の両立の難しさ、
がんやカルチノイドの治療情報の集め方などの思いの丈をまとめました。

この一冊は、まさしく金子さんの生きた証であり、
自分史をつくることで、自分の生きた証(あかし)を残す
マイ ストーリーを次世代につなげる
Annalouge(アナログ)のライター 大谷(おおや)敦子です
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
突然の余命宣告を受けたら、あなたならどうしますか?
・「死生観」を学ぶために高野山大学大学院に入学する
・自分の葬儀の打ち合わせをする
・葬儀代をパートナーの口座に振り込んでおく
・永眠する場所を決めておく
仕事と闘病を続けながら、これらのことをやり遂げた人がいます。
2012年10月2日、肺カルチノイドでこの世を去った流通ジャーナリスト 金子哲雄さんです。
享年41
賢い選択、賢い消費をすることが、人生を豊かにする
金子さん流通ジャーナリストとして、何度も口にしてきた言葉。
自分の最期、葬儀=人生の幕引きを情報として発信していきたいという気持ちがありました。
若くして妻を残してこの世を去ることを受け入れ、
自分の葬儀と葬儀後のプロデュースにとりかかります。
ご縁あって、生前のうちに「慈雲院殿應救哲心居士」
という立派な戒名を頂戴します。
院殿というのは、存命中に相当なことをしないといただけないものだと知り、
金子さんは、戒名に値するのに十分ではないのではと考えます。
あとで聞いたところによると、
金子さんのやってきたことが、社会の多くの人々の生活を大切にしようとした仕事だから、
立派な名前を生前授戒してくださったのだという。
妻を路頭に迷わせないようにするのが、
自分が死ぬ前の第一のことと考えていたけれども、
それだけでは不十分なのではと考えた金子さん。
自分が生きてきた意味について問いかけ、
地域社会のため、
公共のため、
そのために何が残せるのか。
一時的に危篤に近い状態に陥りながらも回復し、
寿命を延ばすことになったのかもしれない出来事は、
これまでお世話になった方へのお礼とお詫び伝えたい
と本の執筆にとりかかったからです。
本という目標ができたことで、張りが戻り、執筆することが日課になりました。
その本のなかに、在宅終末医療を選択し、経験したからこそ知りえた
地域医療にかかわるドクターの現状、
(医療費が支払えない患者さんが増えていて、
ドクターの持ち出しも少なくないという現実)
闘病と仕事の両立の難しさ、
がんやカルチノイドの治療情報の集め方などの思いの丈をまとめました。

記録をまとめ終えた5日後、金子さんは息を引き取ります。
この一冊は、まさしく金子さんの生きた証であり、
地域医療に関わる問題提起については、いまを生きる私たちへの“宿題”なのだと思います。
☆☆☆
この本のあとがきには、金子哲雄さんを支えた妻・稚子(わかこ)さんのメッセージがつづられています。
愛する伴侶が、「いつ死んでもおかしくない」と宣告されてからの500日間のできごとについて。
金子さんの最後の食事らしい食事が、
静岡出身の稚子さんが作る真っ黒なお汁の「静岡おでん」だったことが記されていて、静岡人として、うれしいエピソードでした。
アナこと、大谷(おおや)敦子でした
この本のあとがきには、金子哲雄さんを支えた妻・稚子(わかこ)さんのメッセージがつづられています。
愛する伴侶が、「いつ死んでもおかしくない」と宣告されてからの500日間のできごとについて。
夫が最後に「こうしたい」という望みを叶えるために、全力で尽くした稚子さん。
自身のお父様を看取った経験がなければ、夫を支えることは難しかったかもしれないとおっしゃってます。
静岡出身の稚子さんが作る真っ黒なお汁の「静岡おでん」だったことが記されていて、静岡人として、うれしいエピソードでした。
アナこと、大谷(おおや)敦子でした
Posted by Annalouge(アナログ) Atsuko Ohya at 00:40│Comments(0)
│自分史事業